やさい日記

複線的人生の創造

日本史

書作品の詩文選びと作品づくりの流れ

書をやっていると1年に何度か展覧会に作品を出す機会があります。コンクールのような展覧会や、所属する書道会での展覧会。二つは違いもありますが、ことばをえらび、書にするということついては、同じ性質ともいえます。 書道の展覧会ではジャンルがありま…

人と建物の寿命が違うからややこしい

今朝の産経新聞。「モンテーニュとの対話」というコラムに思わず膝を打ちました。 「神事とは生者だけのものではない。継承してきた死者たちのものでもある。」 「生者のおごり」 私がうんうんと頷いたのはコラムの本旨よりも枝葉末節の部分なのでコラムの内…

JR畝傍駅の貴賓室が取り壊しの危機に

昨日の産経新聞夕刊。JR畝傍駅の貴賓室が老朽化で取り壊しの危機にあるとありました。 昭和15年に橿原神宮一帯で皇紀2600年の奉祝行事があり、JR畝傍駅はその玄関口となったそうです。皇室が休憩されたのがその貴賓室でした。昭和34年には今の上皇ご…

あなたは何のために書をやっているのですか?

価値ある建築物の活用を語る会と題して、建築や左官、材木を生業にしている仲間といろいろと語り合ってきました。 表面的、具体的な話というよりも、根底というか哲学っぽいというかそういう話でクールにでもハートは熱く盛り上がりました。生業は違えども根…

【読書記録】落日燃ゆ 廣田弘毅の胆力を学ぶ

城山三郎著の「落日燃ゆ」。この本を高校時代に読んだのですが、昭和史に興味を持つきっかけになったと同時に、こんな生き方ってすごいなと衝撃を受けた、思い出深い伝記小説です。 前回吉田松陰に触発されて「誠」という書をかきました。それをきっかけに「…

吉田松陰に触発されて書いた「誠」

新年の初作品はこちら!「誠」。はがきサイズの100x148mm。吉田松陰の本を読んで触発されました。たった一文字ですが、とても重みのあることば。松陰先生いわく、この誠は最高の一文字。この字をよく味わい、私欲ではなく誠に生きると誓ったときか…

学びが消費されている時代の書道人口の減少

ユネスコの無形文化遺産登録に、日本として「書道」が選定されたと報道がありました。書が自分の生活の一部としてある身として、いいきっかけになればと思います。 新聞のなかで軽く驚いたことがありました。年に1回書に触れた人数が、平成22年530万人…

歴史と文化とおかねについて感じたこと

昨日は中国書の歴史講座を受けてきました。その雑談の中で、書が商品として売買されたのは明代だというお話がありました。書を売って生活をする専業書家が現れたのもそのころだと考えられているそうです。逆に言うとそれまでは商品としての価値はなかったと…

雲雀丘でも開催されていた「南一会」 小林一三らによる池田の画家・樫野南陽支援

小林一三は池田の画家・樫野南陽を支援していました。パトロンと文化の関係に興味があって、逸翁美術館に隣接する池田文庫に行って、いろいろと調べてみました。阪急文化研究年報という雑誌があり、そこに伊井春樹氏が「樫野南陽の南一会始末記」という論説…

なぜか説明できない衝動がわきおこったとしか言えません

宝塚・雲雀丘にある安田邸。大正10年建築で宝塚市の所有ですが、屋根が傾き朽ちて、天井に穴があいて空が見えるところもあるそうです。老朽化はげしく、維持していくにはもう待ったなしの状況です。 宝塚市も必死で運営してくれる事業者を探しているそうです…

現実から過去へさかのぼって宝塚・雲雀丘の安田邸について考えてみたい

阪急宝塚本線にある雲雀丘花屋敷駅。ここから徒歩2分のところに、大正時代に建てられた洋館があります。旧安田邸。400坪の広大な敷地に庭園とこの洋館が存在しています。しかし大正ロマンあふれる洋館が老朽化しこのままでは維持が難しい状態になってしま…

阿波座にある喫茶古月さんとの出会いとご縁

昨日の安田邸の話を周りにしはじめています。おもしろそうやん、と木材業界の友達が話を聞いてくれるので市内に会うことに。私も友もお酒を飲まないので、コーヒーを飲みながら会うのが基本です。どこかいいカフェや喫茶店がないかなとインスタで探してみま…

大王の石・竜山石の採掘場を見学させてもらいました

時間があきましたが、竜山石の採石場見学の続きです。朝は雨模様。友達からも雨だとぬかるんで厳しいかも・・・と連絡があったのですが、幸い天気は持ちました。JR宝殿で友達と待ち合わせをしました。 車で街中を走っていくと現場に到着。切り開かれた山がど…

竜山石採掘場見学に至った奇跡の道のり

本当に何がどこでつながるかわからない。人との再会や出会いがこんなに生活を彩ってくれるのかという経験をしました。古墳ファンなら一度は聞いたことがあるでしょう。兵庫県高砂産の竜山石。 石棺の材として人気ブランドだった竜山石。その竜山石が現在も採…

犬養木堂記念館でみた木堂の書のすごさとは

家族が後楽園見学にいき、単身犬養木堂記念館へ。ずっとずっと行きたいとあこがれていた場所です。ただ次の予定のため兵庫に戻らないといけなくて、滞在時間は30分しかありません。 入口の門の横には巨大なクスノキの木がありました。これは木堂が第一回衆…

3歳から5歳になったつもりで

「3歳から5歳になったつもりでお話を聞いてください~」って聞いて、うお、これは難しいぞと思い、背筋が伸びました。この土曜日、寺子屋関西さんの偉人伝講座&古事記の輪読の会に参加してきました。 なぜ幼稚園児くらいのつもりで聞くのか、というのは、…

屋久杉の力が明治維新につながった!?

年内に仕事で沖縄に行く予定があります。琉球王国や沖縄戦の歴史を知って沖縄に行きたいと思い、沖縄の歴史に関する本を読んでいます。 一冊目は「琉球の風」。1993年のNHK大河ドラマです。主役は今話題の(?)東山紀之氏。私はみたことはないのですが、そ…

なぜ歴史検定を受験しようと思ったのか

今年の目標の一つ。歴史検定(日本史)の受験、締め切り期限ぎりぎりに申し込みをしました。一昨年2級に合格。最終目標の1級です。なかなかハードルは高いと思いますが挑戦することにしました。 受験日は来月11月26日(日)で、あと約1か月です。2級…

纏向遺跡で最近発見された3世紀後半のあるものとは?

自分のブログを読み返すと、まあたわいもないこと書いているなと、改めて苦笑いしてしまいます。昨日なんてサバの塩焼きですから。たわいもないことが頭に浮かぶというのは、平穏な日々だということでもあるのでしょうが。 本業(不動産賃貸)のことからネタ…

西村屋本館で見た犬養毅(木堂)の書

今年の夏、城崎温泉の西村屋本館に旅行で行ってきました。160年の歴史がある西村屋さんには多くの歴史上の偉人が訪れていたようです。展示室が館内にあり、偉人の書などの物が多く飾られていました。 なかでも大変印象に残ったのは、朝食会場にも大きな「…

宋の四大家の書を学んでこなかった理由とは

書道教室の生徒の方が米芾の臨書を展覧会に出品したいということで、私自身も米芾の稽古を始めました。書道の先生としては恥ずかしいかもしれませんが、米芾の稽古をしたことがありませんでした。これもいい機会と思い学ばせてもらっています。 書を学んでい…

いま太宰の『人間失格』を読んでこう感じた

太宰治の『人間失格』。昔に読んだことがありました。その時はへえ、なんか心が複雑で大変そうな人だなあという印象なだけでした。明るい物語のほうが自分には読んでいて楽しいからいいよなあと思っていました。 早朝座禅会で佐々木住職のお話がきっかけで久…

座禅をしていて「ぼよよん行進曲」を思い出した

3連休みなさんいかがお過ごしでしたか?私は初めて宿泊座禅会に参加してきました。ひたすら25分を何セットか座禅をするという時間を過ごしました。本当は2泊3日のスケジュールだったのですが、初めてだったので1泊2日に短縮しました。 学びの多い2日…

神田伯山「講談放浪記」での師弟対談が心にしみた

講談に最近興味があります。実際に観に行ったことはないのですが、人気の講談師・神田伯山さんの「講談放浪記」という本が出ているのを知って読んでみました。 講談は歴史をもとにしてフィクションで語っていきます。日本史が好きな私には元ネタが歴史である…

短歌教室の課題が「月」でした

ノーベル賞の選考が明日に迫っているようです。かつてノーベル文学賞を受賞した川端康成の記念スピーチが「美しい日本の私」という本になって残っています。そのなかで華厳宗の僧、明恵(1173-1232)が紹介されています。 明恵は法然らの鎌倉新仏教の興隆に…

魯山人のいう人格 何必館京都現代美術館へ行ってきた

何必館京都現代美術館での「和の美を問う 北大路魯山人」を見てきました。私の中でたまに魯山人を欲するときがあります。魯山人は人気なのでちょうどいいタイミングで展覧会など開かれます。 この何必館の梶川芳友氏が産経新聞の夕刊に連載をされています。…

観峰館の石碑から採った拓本がすばらしかった

昨日の中国の書の歴史講座でのこと。石碑から採った拓本を見せてもらいました。滋賀県にある観峰館に講師の鈴木先生と受講者の数名で行ったときに採ってこられたもの。私も誘われていたのですが、その日は休みがとりづらかったため行くことができませんでし…

相撲の所作の美しさは、生き物の本来の姿勢だった

今週も天正寺さんの早朝座禅会に参加してきました。一週間たつとなんとなくわすれてしまいがちなのですが、まあ忘れるとか覚えているとかではない世界なのだと思います。 睡眠3時間くらいだったのがきつかったのですが、座禅することでなにか自分が変われる…

ミュージカル・バディーズの「龍起伝」を観に行ってきた

近所のサービスステーションに貼ってあった一枚のポスターに目を奪われました。「大塔宮物語」「楠木正成の久子」と書いてある演劇のポスターでした。私の好きな偉人ベスト3に入る、楠木正成。(ちなみに私は数年前に行われた「楠木検定」を受験して、一級…

丹後半島の古墳巡り 絶景の大成古墳群

丹後半島の古墳巡りの話が続きます。3回連続で現金を持たずに行ったことでドタバタしたこと内容を書きました。古墳そのもののお話が出来ていませんでした。その見てきた古墳の話を書きます。 時系列でみた古墳を挙げておきます。字面だけ見ても面白くないと…