やさい日記

複線的人生の創造

ミュージカル・バディーズの「龍起伝」を観に行ってきた

近所のサービスステーションに貼ってあった一枚のポスターに目を奪われました。「大塔宮物語」「楠木正成の久子」と書いてある演劇のポスターでした。私の好きな偉人ベスト3に入る、楠木正成。(ちなみに私は数年前に行われた「楠木検定」を受験して、一級をもっています笑)楠公をテーマにした演劇が宝塚であるとは!

 

そしてポスターをじっくりみてみると、ん?男性が女性を演じている写真が。宝塚歌劇の逆バージョン。ますます興味惹かれました。キャストをみると、一人二役もされているようです。オリジナルミュージカルとあるので、きっと演劇と歌とあるのでしょう。

 

当日会場に行ってみると大勢のお客さんがすでに着席していました。歴史ミュージカルなのにこんなに集まるのか!と驚きました。ミュージカルは2本。まずは「大塔宮物語」から始まりました。

 

大塔宮・護良親王後醍醐天皇の皇子です。文武両道、身長180センチを超える偉丈夫です。その護良親王北条時行が幕府再興を目指して起きた中先代の乱の混乱のさなか、足利方に暗殺されてしまいます。その護良親王と雛鶴姫の悲恋の物語でした。

 

コンパクトにまとめられたストーリーで飽きずに見ることができました。雛鶴姫のことは知らなったのですが解説も時々はいり理解しやすかったです。ミュージカルだけあって、歌がとてもいい。特に雛鶴姫が歌う伸びやかな歌声は本当にいいなあと感じました。

 

次に「龍起伝」。楠木正成公と妻・久子の物語です。妻・久子役はポスターのとおり男性がメイクをして登場。ウケを狙ったわけではなく真剣です。こちらもコンパクトに楠公の話が進んでいきます。

 

私が一番いいなと思ったのは、楠公が息子・楠木正行になぜ帝(後醍醐天皇)に忠義を立て足利と戦うのかを話すシーン。「桜井の子別れ」という場面なのですが、ここで楠公は「何が正しいかは分からない。でも何が正しいのか自分で考えて決めるんだ。」と息子に語ります。おお!!!かっこいいぞ。

 

次に印象的だったのは、楠公が戦死し、残された妻・久子は、楠公が生前に建てた二つの塔に祈りをささげるところ。楠公は生前に味方の菩提を弔う塔を建てる際、敵方(鎌倉幕府側)の戦死者も弔う塔も建てるのです。敵も味方もない、これからは平和な時代をという楠公の愛がこもった塔です。これを久子が守っていくことが暗示されていました。

 

ミュージカルのあとはトークショーもあり、代表の橋本さんが劇団ミュージカルバディーズの成り立ちや今後の夢などを語られました。もともと男性二人で結成して、宝塚男歌劇団というネーミングにしようとしていたとか。おもしろい。

 

ミュージカルバディーズが演じる楠公のミュージカルでより多くの人が楠公の物語を知ってくれたらいいなと思います。私も舞台にあがって演技して歌をうたってみたいなという思いもあるのですが、まあ今の生活ではそこまではできないかな。これからミュージカルバディーズを応援していこうと思います。