やさい日記

複線的人生の創造

JR畝傍駅の貴賓室が取り壊しの危機に

昨日の産経新聞夕刊。JR畝傍駅の貴賓室が老朽化で取り壊しの危機にあるとありました。

 

 

 

昭和15年に橿原神宮一帯で皇紀2600年の奉祝行事があり、JR畝傍駅はその玄関口となったそうです。皇室が休憩されたのがその貴賓室でした。昭和34年には今の上皇ご夫妻も結婚報告で神武天皇陵を参拝された際にも、この貴賓室が使用されたとのこと。

 

 

 

JRは駅舎のコンパクト化を図っていくなか、この建物もその対象に。JRは橿原市に無償譲渡を持ち掛けますが、市はコスト面から拒否をしたそうです。

 

 

 

現在陛下や皇族の方が橿原神宮神武天皇陵を訪問される際は、近鉄電車のお召列車を使用するようです。ということはこのJR畝傍駅の貴賓室を今後皇族の方が使われることはないのでしょう。

 

 

 

建物の価値、価値があると思われる建物の老朽化。それを維持管理修繕するコスト。残る建物と解体される建物の違いはなんなのか。遺したとしてどのように活用するのか?それを維持するコストをどうやって賄うのか。雲雀丘の旧安田邸も同じ構図の課題です。

 

 

 

産経新聞は「市の判断は重い」と結んでいました。確かに日本という国の地方行政を預かる市がなんとかすべく考えるというのは大切なことだと思います。しかし市を頼りにしている今の日本や日本国民の意識にも問題があるのではないかとも感じます。

 

 

 

人口減少、税収低下。市がコストをかけて運営していくにも限界があります。市が負担していかないといけないのは歴史的建築物だけではないからです。となると残したいのであれば、または残すべき価値があると判断するならば、民間が資金と知恵を出し合っていくしかないのかも。

 

 

 

なにがなんでも残すことが善なのか。人々の記憶に残すのも一つかもしれません。建物がなくてもそこで当時皇族の方が来られた事実は消えることはありません。

 

 

 

取り壊される近代建築を仮想空間にまとめて残して体験できるようにする、なども一般的になっていけばいいのかな。それにしてもこれは日本全国、あらゆる自治体や地域住民らの間で起きている課題だと思います。

 

 

 

貴賓室の老朽化がもう修繕不可能なところまで来ているのか、いまならまだ修繕出来て間に合うのか、それは一つの判断材料になるのかと思います。もし修繕可能な状態であるのであれば、保存していく方向を模索していってほしい気もします。

 

 

 

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