やさい日記

複線的人生の創造

観峰館の石碑から採った拓本がすばらしかった

昨日の中国の書の歴史講座でのこと。石碑から採った拓本を見せてもらいました。滋賀県にある観峰館に講師の鈴木先生と受講者の数名で行ったときに採ってこられたもの。私も誘われていたのですが、その日は休みがとりづらかったため行くことができませんでした。

 

 

 

九成宮醴泉銘の拓本をみておどろきました。とても線がくっきり浮き出ていて太い。二玄社のテキストとはまた違う、より生き生きしたものでした。中国西安の博物館に元の石碑があるのですが、全面協力のもと観峰館が復元した石碑。それを一日がかりで数人で拓本を採られたものです。

 

 

 

拓本が採られる回数が多くなれば石が摩耗して線質が悪くなるため、今テキストなので私たちが見ている九成宮はだいぶん線がやせてしまっているようです。それに対し復元された観峰館の石碑はまだそんなに採られていないから、線がふっくら厚みがあるのかもしれません。

 

 

 

拓本を採る作業はかなり体力がいったそうです。九成宮の石碑は高さがあるので、それも大変だったとか。学芸員の方がとても親切に教えてくださったそうでなんとか出来たと話されていました。

 

 

 

ちなみに観峰館には日本習字という書道団体の創始者が情熱を傾けて収集した書のコレクションが2万5千点もあるそうです。これは不確かかもしれませんが、書道の段とか級とかいうシステムを取り入れた元祖が日本習字だったと聞いたことがあります。

 

 

 

道教育で莫大な資産を築いた観峰氏がその財でたくさんの書のコレクションを収集されたのは素晴らしいなと感じました。そのおかげで後世の私たち書の愛好家が直に学びが出来るのです。本当にありがたい。財を成してどうするか、何に使うのか。これはまさに生き方や人格に直結するのだと思います。

 

 

 

私は観峰館には行ったことないのですが、近いうちに見に行きたいと思っています。調べてみると今はちょうど聖徳太子に関する特別展もやっているようです。以前も書きましたが聖徳太子は私の好きな偉人ベスト3にはいります。太子にまつわるあれこれにはとても興味があります。

 

 

 

出来れば拓本の体験もやってみたい。非常にお安く体験ができるようです。涼しくなってきたころですし、この秋に行けたらいいなと思っています。書道教室の体験会みたいにやってもいいかも?

 

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