やさい日記

複線的人生の創造

犬養木堂記念館でみた木堂の書のすごさとは

家族が後楽園見学にいき、単身犬養木堂記念館へ。ずっとずっと行きたいとあこがれていた場所です。ただ次の予定のため兵庫に戻らないといけなくて、滞在時間は30分しかありません。

 

 

 

入口の門の横には巨大なクスノキの木がありました。これは木堂が第一回衆議院議員選挙で当選したときに植えられたもの。それが巨大化していることに時の流れを感じました。温かい秋晴れの空にすっくと伸びて。

 

 

 

常設展は木堂の一生を年代順に解説していました。一番私が関心をもったのは、木堂の肉声。蓄音器が木堂の演説を流してくれます。私は目を閉じて木堂の声を味わいながら演説を聞きました。

 

 

 

これは木堂が首相に就任したときに収録したもの。首相就任は76歳でした。だから76歳木堂の肉声です。決して饒舌という感じはしませんでしたが一言一言理解を求めるよう区切り区切り腹の底から声をだしているのかなと思いました。

 

 

 

そしてお目当ての企画展。木堂の書がたくさん展示されています。木堂の書は基本は行書が多く、右上がりに字を構成するのがその大きな特徴です。宋代の黄庭堅の影響を受けているのかなとも思います。

 

 

 

木堂のすごいところはあれだけの作品を残しながら同じ言葉ばっかり書くということはなかったところです。展示されていた書も同じものは一つもありませんでした。右上がりの行書という特徴はありながらも、一点一点作風も異なり、構成も工夫をされているのがよくわかりました。

 

 

 

同じ言葉や詩を書いていないというのは、本当に中国の詩文に精通していたことの証です。私など展覧会が近づくにつれて何を書こうかということに一番頭を悩ませます。頭と心に詩文のストックが少ないのです。

 

 

 

木堂は旅先でも求められて書をかいたといわれていることからも、頭の中にたくさんの漢詩文がストックされていてそれが自在に気分に合わせてまたは依頼主の希望に合わせてすっと引き出して書に仕上げたのでしょう。膨大な漢籍への知識があっての書だということが木堂の書をみてよくわかりました。

 

 

 

短い滞在時間でしたが「年代順にみる犬養木堂の書」や、木堂が揮毫した石碑の書、木堂を顕彰した碑の拓本などお土産に買いました。寝る前にこれらを味わいながら木堂の精神に少しでも近づきたいと思っています。また木堂煎餅というのも売られていて、こちらには木堂の書が刻印されていました。素朴な味でおいしかった!

 

 

 

木堂については書ききれない!

道教室でも「年代順にみる犬養木堂の書」は皆さんに回覧したいと思います。

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