やさい日記

複線的人生の創造

加古川の鶴林寺で黒髪ロン毛の聖徳太子にお会いしました

タクシーの運転手さんに教えてもらった、高砂ちかくのおすすめスポット。「高砂じゃないけど、加古川だったら鶴林寺がおすすめですよ。聖徳太子ゆかりのお寺で、多くの人が行かれますよ。」とのこと。

 

位置関係がよくわかっていませんでしたし、すでに夕方だったので拝観時間に間に合うかなというところでしたが、無事電車とタクシーで到着。広い境内に宝物館もあって、見ごたえありそうです。

 

本堂と太子堂は国宝。播磨の法隆寺ともいわれるそうです。太子信仰の広まりから、室町時代には2万5千石も寺領があったといいます。もう大名の領国クラスの規模ですね。

 

廃仏派だった物部守屋から逃れるため、高麗から来た僧・恵便が加古川に身を隠します。そのときに御年12歳の聖徳太子加古川に来られ、恵便の教えを受けられたとか。589年(崇峻天皇2年)に鶴林寺のもととなる精舎が出来たそうです。

 

少し境内をぶらついて建造物を眺めた後、宝物館へと移動しました。もう閉館間近だったため他の参詣者もなく、一人でゆっくりと聖徳太子を描いた絵画や仏像などを鑑賞しました。小ぶりながらすらっと艶やかな聖観音像や聖徳太子の一生を描いた聖徳太子絵伝が特に興味深かったです。

 

堪能して出ようとしたところ、入り口のところに「兵庫テロワール旅 特別拝観 植髪太子像」と看板があるじゃないですか。あれ?あったっけ?と思いもう一度受付に引き返し、係の方に尋ねてみました。

 

厨子の中にいらっしゃいますよ。よければペンライトお使いください。ごゆっくりみていってくださいね。」ととても親切にしていただきました。厨子の中までちゃんと見ていなかった!よかった、気づいて。

 

厨子の中を覗き込み、ペンライトをかざしました。おお~黒髪で意外と長い。太子の御髪と言われていますがどうでしょう。黒々としています。じっくり見つめてみました。聖徳太子の16歳のころのお姿とされています。父である用明天皇の病気治癒祈願をしているお姿と言われれています。

 

しかしなぜ黒髪をわざわざはやしたのか知りたいですね。何か理由があったはずです。同じく兵庫県太子町の斑鳩寺にもおなじ植髪太子像があるようです。いずれにせよこの兵庫は聖徳太子信仰がさかんだったことがうかがえます。

 

じっくり太子像をながめたあと、鶴林寺をあとにしました。思いつきのたった半日で高砂神社、石の宝殿、竜山一号墳、そして鶴林寺と回りました。オオクニヌシ聖徳太子を感じることが出来て心が洗われた気分です。偶然にも普段は公開されていない秘仏の植髪太子像も見れたのも本当にラッキーでした。

 

兵庫県って古墳の数が一番多いそうです。今までは地元猪名川流域の古墳に関心を持っていたのですが、少し足を延ばして、猪名川流域との関係性を考えながら、他の兵庫の古墳をめぐっていきたいなと思いました。

 

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