昨日は短歌オンラインレッスンでした。毎回お題が事前に出されていて、それに基づいて制作をして全員一首を発表し、意見を聞いたり、先生の添削を受けたりします。
「日常の中で気づいたこと」がお題。いつもはもっと具体的なお題なんですが、今回はちょっと漠然としているため、どうしようかなあとずっと考えていました。
まだまだ短歌初心者なので、短歌脳にはなっていません。もう少しなれたら、ふとした瞬間に、『あ、これは短歌になる!』とピンとひらめくこともあるでしょう。なかなかまだそこまでいきません。素材が見つからないため、なかなか制作までいかないんです。だから2週間に1度のお稽古がやってくると、楽しいのにちょっとプレッシャーがかかったりします。
短歌の素材を探すアンテナを立てるには心の余裕が必要です。悩みや気がかりがあったら、なかなか目の前に短歌の素材になりそうなものがあっても、素通りしてしまいます。逆にいい気分でご機嫌でいたときのいうのは、些細なことでも素材が見つかったりします。
素材というのか何について作るかが決まれば、あとは意外とすんなり出てきたりするのが面白い。どこの場面を切り取るのかさえ決めておけば、あとは数日後にふってわいてきたりします。
今回のお題と制作はまさにそうで、数日前に素材が見つかり、それから数日後言葉がふっとでてきたという体験が出来ました。
朝の通勤時駅のホームで電車を待っていた時のこと。向かいのホーム側に学校の生徒を待つ警備員さんが立っていました。シルバー世代の警備員さん。なにげなくその風景というか目線を向かいのホームにいる警備員さんに向けていました。電車がホームにすべりこんできたまさにその時。
その警備員さんがぐぐぐっと背筋をのばして立ち始められたのです。なんというか武士が気合をいれて精神統一をするというような印象を受けたのです。あ、美しいな、という瞬間でした。
同時に私が乗る電車がやってきたのでそれ以降は見ることはなかったのですが、あ、これを素材にして短歌にしたいなと思い作ったのがこれ。
制服の子らをホームで出迎える老警備員の背筋伸びたり
高田先生からは「出迎える」というのは想像がつく。だからそこはあえて書かずに読者に想像をさせるのがよい。ホームに電車が滑り込んできたその時の動きを取り入れたほうがいいという助言をいただきました。先生の添削はこれ。
子らの乗る電車がホームに入りきて老警備員の背筋伸びたり
なるほど~。31音のなかに時間の移り変わりがあるのは短歌が生き生きとするなあと思いました。
次回のお題は「部屋」ということ。また素材探し、どの場面を切り取ってテーマにするかを日々のなかで考えていきます。そのためにはご機嫌に生活しないと。どんな短歌を作ることが出来るのか、自分でもたのしみです。