やさい日記

複線的人生の創造

東大寺の大仏建立が今につながる大変革ともいえるかも

5月12日の産経抄天然痘について書かれていました。「悪魔の病気」と恐れられた天然痘は、6世紀ころ朝鮮半島から日本に入ってきて大流行。

 

この天然痘が蔓延し奈良時代初期の政権を担当していた藤原四子(四兄弟のことです)が次々に亡くなります。政権中枢の貴族までもなくなってしまうのですから、庶民への流行は恐ろしいほどだったことでしょう。そして救いを仏教に求めた聖武天皇を中心に大仏が作られるという流れです。

 

さてこの大仏建立。これをきっかけに日本の歴史に大きな流れの一つを生み出すのです。それまでは基本的には土地は国家のものとして、国家から支給をされていました。しかし開墾した土地が永久に私有できるという法が出来たのです。墾田永年私財法です。莫大な大仏建立費用をその開墾した土地の収穫から充てるため、東大寺には最大の開墾面積が認められました。いわゆる初期荘園というものがここに誕生したのです。

 

土地の私有がOKとなったことで、貴族や大寺院がこれからどんどん富を蓄積していき力をつけていきます。これは歴史を長い目でみると社会の構造が決まったともいえますし、なによりこの時に土地私有がおおやけに認められたのは、現代普通に土地が売買されたりする最初の出発点になったともいえるでしょう。

 

その大変革のきっかけが天然痘というウイルスだったことが興味をそそられます。天然痘がなければ東大寺の大仏もなく、もしかすると土地を私有するということもなかったのかも?

 

そう考えるとここ数年のコロナウイルスも社会に影響をあたえていますが、根本から日本の仕組みを揺るがすような新しい制度が生まれているのかもしれません。それは1000年後、2000年後にやっとわかるのかもしれません。天然痘の流行によって現代の土地制度につながる仕組みが出来上がったというのが今になってわかるのと同じように。

 

コロナウイルスの影響で起きた社会の変革のなか、さてさて私はどう生きたいのでしょうか。どんな意思をもって進んでいくのか、それを考えるとたのしみだなあと思います。日本史をもとにあれこれ思索をめぐらすのって本当におもしろいしたのしいです!