あけましておめでとうございます。1月も半月経ちました。そろそろブログの更新もしていこうと思います。
以前も書いたことあるかもしれませんが、私は人の字が好きなんです。(自分のはあんまりだけど)その人が書いた字は唯一無二で、他の人には絶対にかけないのです。もうその時点でいとおしく思ってしまうので・・・。
とはいえいとおしく思ってしまっているだけでは書道教室としての意義がないわけです。じゃあ私は縁あってきていただいた生徒お一人お一人に、なにを伝えていきたいのでしょうか。
人間は集中しているときにだけ、とてつもない力が発揮されます。この無心になっている状態を日常に持つこと、そしてその時間が本当の豊かさであること。字を書く、書をかくことで、その集中する時間が持てるよ、その時間にこそ本来の自分が発揮できるんですよということを、わたしはおひとりおひとりに伝えていきたいのです。
よく見て、しんけんに書く。シンプルだけど難しく、でもそれがすべてなんだろうと思います。この真剣によく見て、そしてゆっくり書くこと、ひとことでいうと、集中すること。武士の芸事として書がたしなまれたのも、集中することから心が練られ人格の向上につながると考えられていたからでしょう。
生き抜くために仕方なくたくさんの荷物を背負ってしまい、本当の自分ってなんだろうと悩んでいる方がほとんどだと思います。私もそうです。だからこそ、いまここで集中して一つの文字、いや一本の線を引く、そうすると心が練られて本当の自己が発揮できるはずなのです。
筆遣いや技法、もちろん大切です。でもそれは二の次のこと。本来の自分をいまここで発揮するために、よく見て、しんけんに書く。これが書から学べる最大の宝物なんだろうと思います。
おひとりおひとりの日常が豊かになりますように、今年も書道教室でお手伝いをさせていただきたいと思います。おひとりおひとりをていねいに。いっしょに学んでいきましょう。