早朝座禅会に参加しました。住職の法話でアントニオ猪木のことばがとりあげられました。禅と猪木。おもしろいですね。
以下引用します。
道
この道をどう行けばどうなるものか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けば分かるさ
もともとこれは元ネタがあって、浄土真宗の僧侶のことばを少し変えたものだそうです。それも初耳だったので、へえと思いました。
そのうえで猪木とモハメッド・アリの試合の話もありました。猪木のキックの姿勢がばねのある伸びようとしている姿勢で、この姿勢で座る。この姿勢で仕事をしたり、スマホを触ったりするということです。
私は横綱貴乃花や横綱曙の時代にはよく大相撲は見ていたのですが、ボクシングや格闘技は血みどろになるのが怖くて見ようとしたことはありませんでした。子供のころ家のテレビでボクシングがかかっていると、ああいやだなと思っていました。
今回聞いた猪木のキックは住職がやって見せてくれたのでなんとなくわかりました。そしてアリがボクサーなのでそのパンチをしのぐために低い姿勢でキックを繰り出したのもわかりました。しかしパンチとキックの対決って、ちぐはぐじゃないですか?
どんな試合だったんだろうと思いユーチューブで検索してみました。10ラウンドくらいまであるのですが、みてなるほどと思いました。猪木はほとんどずっとねころんでいるんです!これは驚いた。で、アリは立って勝負しろ!!て怒りをあらわにしているんですね。
猪木の寝転んでいる姿勢はばねが感じられる、躍動感のある姿勢でした。首だけがもちあがり、いつでも力をためて蹴りを入れられる状態でいるのです。緊張感。気合に満ちています。なるほど、こういう姿勢で日々を送ると、本当の自分の力が出てくるのかなと感じました。
試合の結果は引き分け。猪木がアリに決めたキックは300発以上、アリが猪木にヒットしたパンチは5発ほど。これ判定も難しいですよね。決着を望む観客からは不満の声があがったとか。
それにしても猪木の戦術、そしてそれをやり抜く気力、すごいなと思いました。アリに挑発されても、寝てローキックを繰り出すことを延々やり続ける。この忍耐力と一貫性はすごい。だから猪木は偉大だったんだろうなと思います。
これまでなんだか野蛮だと思い込んで目を背けていた格闘技も、一筋の道を貫く美しさがあることに知ることができ、新しい発見でした。
書の道も行けばわかるさ