やさい日記

複線的人生の創造

「五代様」はやっぱりヒーローだった

5月9日の朝刊でおもしろいと思った記事がありました。

 

【晴れて大河に「五代様」を】というもの。

 

「五代様」とは平成27年NHK朝ドラ「あさがきた」でディーン・フジオカさんが演じて評判になった明治期の実業家・五代友厚

 

その「五代様」。日本史の教科書に登場するのはある事件がらみのこと。「開拓使官有物払下げ事件」と呼ばれるものです。

 

北海道を開発するのに国が莫大な投資をし産業の育成を図りました。その結果10年が経過して北海道開拓使の所有としていたものを、格安で民間に売却しようとしていると新聞社がすっぱぬいたのです。その民間会社は五代友厚らが関与しているとされ、開拓使薩摩藩出身だったことから、癒着じゃないか!!と批判が起き、売却を断念したという事件です。

 

近年になって研究が進んだ結果、実は五代友厚とこの民間会社には関係がなかったことが判明したのです。当時の新聞記者の誤報がずっと事実となって歴史になってしまっていたとは。

 

五代友厚は大阪で造船や紡績などさまざまな産業を興しました。「実直な人柄で正義を重んじた人物」と評されています。正義を重んじた五代友厚がそんな「ずるい」ことはしないでしょう。教科書会社も完全ではないものの記載を少し改めるようすぐに動いたようです。そして汚名が晴れつつあるのを機に、五代友厚大河ドラマの主人公にという運動が始まっているとのこと。明るい記事で読んでいてうれしくなりました。

 

いやあおもしろい。歴史として残されたのが事実ではない、これをしみじみ考え直す記事でした。ロマンのある虚報が歴史になるのはそれはそれでたのしいです。源義経が衣川で自害せずモンゴルにわたってジンギスカンになったというのはとてもロマンがある。でも事実ではないのに悪者扱いされてしまいそれが歴史として残るのは残念だし、そこは訂正をしたほうがいい。

 

まだまだ汚名を着せられた偉人が日本史に存在しているでしょう。それが解明される日も楽しみです。日本史の常識が違った!というのを目にする日が来るのもたのしいです。