くすのき書道教室ー兵庫県川西市ー

墨の香りx木の香り/ひとりひとりを丁寧に、少人数の書道教室

書は一本の線から始まる

博士の愛した数式」を読んでいると、数字や数学というものが、とても美しく心のあるものに見えてくるんです。

 

 

古代人がひいた一本の線が書へとつながった

殷の時代の甲骨文字が漢字の発祥とされています。紀元前13世紀半ばから紀元前11世紀半ば、とてつもない昔のことです。うらないの記録として文字が使われ、亀甲や牛の肩甲骨に彫られていました。

 

漢字の発明は人類にとって衝撃的だったのではないかと思います。現代人のスマホの発明と流行がかすむくらいなのではないかと。その記号を共通認識することであらゆることを伝えることが出来る。これ以上の発明ってあるのでしょうか!?

 

漢字は絵を単純にして出来たものです。その漢字は一本一本の線で出来ています。

 

自然を写しだそう、あるいは、人に何かを伝えようとしたときに、落ちていた木の枝を取って地面に線を引いたのが、ヒトが線を引いた最初だったのでしょうか?その最初の一歩、最初の一つの線がのちの漢字、そして現代の書へつながってくると思うと、人間の歴史の重みにため息がでそうになります。

 

f:id:y-kusunk:20170501110448j:plain

 

たかが線、されど線

 「点も一つの線だから大事にひかないと」

 

点をおざなりに打って書いたのを指導されたことがあります。全ての漢字は点や線で出来ているのではない。漢字は一本の線から出来ているとその時改めて知ることが出来ました。

 

点も線も必ずはじまりがあって終わりがあります。永遠に線がつながる文字はありません。どこかで必ず途切れます。

 

その有限の線が集まって漢字という符号となります。永遠に伸びない線。それが集合することによって意味をなすわけで、その線の組み合わせがおかしくなると意味が伝わらなくなってしまうのです。そう思うとたかが線、されど線。一本一本の線を大切に書いてこそ価値があると思うのです。有限の線だからこそいとおしく書かないと。

 

f:id:y-kusunk:20170622094633j:plain

 

線の真実は目には見えないから美しい

漢字がもつ意味とその漢字を構成する一本一本の有限の線の表情によって書は成り立ちます。

 

線の表情は心の動きでもあります。人の感情が一本の線に込められています。漢字が持つ意味、そして一本の線に秘められた心の動き。それらがまじりあって書というものが生まれるのです。そのいずれかでも欠けてしまうと書として成立しないのではないかと思います。人工知能が王義之の名作を真似てそっくりに書いたとしても、書になるのでしょうか・・・?私は書とは言えないと思うのです。

 

書における線は目に見えているようで、その真実は目に見えない。書の世界は書き手の心のなかにあるからです。自然は美しい。そして人の心は自然と同じく美しい。花の茎、木の枝、流れる一筋の雲。それら自然が見せる線のごとく線をひいて、自分の心をありのままに自然に写し出そうとしても目に真実は見えにくい、だからこそ書は美しいのです。

 

書をみてもよくわからないとよく聞きます。よくわからないからこそ美しいのかもしれません。そして書人は自分なりの真実の線を書けるように日々稽古をしていくのです。

 

f:id:y-kusunk:20170520142319j:plain

 

 野球の夏がやってきた!

 

ワンコイン体験のご案内


f:id:y-kusunk:20170714221448j:image

こんにちは。

くすのき書道教室ではどんな教室なのかを知っていただくために、ワンコイン体験を随時行っています。

 

日時

月3回土曜日 午前9時30分~12時30分

※月によって異なります。当ブログの「教室日程」よりご確認ください。

※お好きな時間にお越しください。但し11時30分までに入室ください。

※おひとり1時間程度

 

対象

子ども~大人まで

※親子、兄弟姉妹でのご参加も歓迎です

※ひらがながまだ書けないお子様も大丈夫です。お子様一人一人に合わせます。

※板の間に正座でお稽古します。足腰ご不安のある方には椅子席も検討しますので遠慮なくお問い合わせください。 

 

場所

はじまりの杜 2階ギャラリー To Cote(トゥーコート)

兵庫県川西市鼓が滝(つづみがたき)1-21-15
 

f:id:y-kusunk:20170321105742j:plain

 

参加費

おひとり500円
 

※入会いただく場合は入会金に充当します。

 

内容

通常の教室で行う毛筆と硬筆を体験していただきます。

※硬筆…大人はペン、お子さまはえんぴつ

(流れ)


堂々と思いっきり書いていただきます。

私がお手本を目の前で書き、よりよくなるためのコツを分かりやすくお伝えします。

そして再びチャレンジ!

納得いくまで書きます。

最後に渾身の1枚を清書していただきます。

☆お手本や清書はお持ち帰りいただけます。自分の書いた作品を家に飾ったりSNSにアップしたりも楽しいですね。

最後に教室のご案内をさせていただきます。

おおよそおひとり45分から60分で終了いたします。

 

持ち物

手ぶらでお越しください。
道具はすべて教室で用意します。


f:id:y-kusunk:20170323114032j:image

 

申込方法

1) メールフォームから
2)お電話にて 090-1075-2592 (楠やすあき)
3)メールにて y.kusunk@gmail.com
 
※準備の都合上、開講日の前々日までにお申し込みください。
 

その他

ご質問ありましたら遠慮なく連絡ください。
お車での来場も可能です。事前にお問い合わせください。

 

7月15日(土)の教室開講について

おはようございます。いつもくすのき書道教室ブログをお読みいただきましてありがとうございます。

 

教室連絡です。

 

明日7月15日(土)は生徒さんが欠席予定の為休講します。

 

次回は7月29日(土)に体験ご希望の方は以下の方法でお申し込みください。

申込方法

1) メールフォームから
2)お電話にて 090-1075-2592 (楠やすあき)
3)メールにて y.kusunk@gmail.com

 

 

kusushodo.hatenablog.com

 

www.instagram.com

 

インスタントラーメンを作って食べるように字が上手になるのか?

f:id:y-kusunk:20170710102549j:plain

 カップヌードルを初めて食べた時「こんなにおいしいものがあるのか!」と感動したことを今も覚えています。普通の味、カレー、チリトマトがお気に入りなのですが、最近はこのトムヤムクンもお気に入りです。

 

カップヌードルのすごいところはお湯を注いで3分でラーメンが食べられる手軽さ。こんな手軽においしいラーメンが食べられるなんて本当に奇跡です。

 

さて字がうまくなるという話。

 

アマゾンで検索すると「1日で」「30日で」「たった10分で」「15分で」ってみるみる字が上手になるという本が売られています。最速は10分のようで、さすがにカップヌードル級の3分で上手くなるというのはないようですが。

 

10分や15分というのは、字が上手に見えるポイント(コツ)を知るのに10分や15分でという意味であって、字が上手になるために要する時間ではありません。そのコツを短期間でつかんでから日々練習をしていってようやく「上手な」と言われる字になっていくというのが本当の意味だと思います。

 

段階的に書くと

 

1)何が上手な字なのかを知ること

2)上手な字をよくみて真似て書く練習

3)その上手な字を自分のものにするまで書く

 

というステップを踏んでいくわけです。

 

インスタントラーメンのような手軽さで字は上手にならないよ!

 

字がうまくなるために10分や15分なんてスピード求めてどうするの!じっくり山あり谷ありやっていくから物事はしみじみ面白いんじゃないの!?

 

そんなインスタントを求める現代に「喝」を入れたいと思います。

 

でも人間はインスタントラーメンを作って食べるように即効性を求めてしまうんでしょうね・・・。

 

f:id:y-kusunk:20170710102615j:plain

・・・・一日7秒は惹かれます。

 

 

書は心にふたをしているうずうずを表現するアートであるのか

f:id:y-kusunk:20170518152829j:plain

先日高校時代の部活の集まりがありました。

 

いろんな人生経験をしたうえで、今はアートな生き方をされている顧問の先生が私にこう言いました。

 

「今まで自分でふたをしてきたのを、ようやく少しずらし始めて、中にあったうずうずが出てきた・・・それが書だったんだよな~。そんなふうにブログのタイトルだけみてるんだけど。」

 

「いや、タイトルだけじゃなくて中身も読んでよ!タイトルまで来てるなら。」っと突っ込んでしまいましたが、

 

『先生、いいこと言う!なるほど!私の場合書がそのうずうずだったわけだ・・・』と大変共感しました。まあ後輩の女性と早く話をしたくてたまらなかったので、ほどほどにそんな酔っぱらいの話を切り上げて席を移動したのですが。

 

何か突き動かされるもの(うずうず)を筆と墨で紙に表現をする書は、アートと呼ぶのにふさわしいし、筆を持っていない時間でもそのうずうずが刺激を受けて生きているので日常そのものがアートになるんだろうなと。


f:id:y-kusunk:20170704110953j:image

 

そんなことをつらつら思いつつ、昨日夕食の時にこんな話を子供たちに伝えました。

 

私「君たちが『お父さんなにをしている人?』と友達に聞かれたときにどうこたえているか知らないが、これからそういう質問を受けた時は、

 

父はアーティストです。

 

そう答えるように。」

 

妙な沈黙が7秒くらいあってからこんな答えが返ってきました。

 

子1「・・・アーティストっていうけど・・・ただの会社員だよね?」

 

私「まあそうだけど。でも、ただの、は余分だと思うが。」

 

子1「じゃあそれってただの自称アーティストやん

 

私「いや、だから、ただの、は余分だ。しかも自称アーティストって、逮捕されたときにニュースで言われる『住所不定、自称アーティスト 〇〇 42歳』みたいで、ちょっと嫌だな。」

 

子2「父ちゃん、先生に感化されているだけやん。ところで父ちゃんの書道教室は収入と支出どっちが多いの?」

 

私「それはまあ、なんだ、支出だけど・・・。ごにょごにょ。」

 

子2「アーティストとか言っている場合なの??」

 

私「う、うん・・・まあ、これから・・・」

 

まだ子供たちは幼い。人生がアートであり、心の中にふたをして生きていくという矛盾は理解できないだろう。いや、今、学校や友達とのかかわりの中で生きていくために、常識という『ふた』をしようとしている時期なのかも。

 

その『ふた』は社会に適合するには必要かもしれない、でも、なるべく早く『ふた』の下にはうずうずした自分なりのアートな源が存在すると気づけるといいんだよ。


f:id:y-kusunk:20170704111653j:image

 そんなことを思いながら、賞味期限が近付いているイチゴチョコクロワッサンを2個たべて、床にごろんと転がりました。

 

『ああ、この自堕落で腹に栄養分を無駄に与えるこの瞬間も、私の書というアートにつながっていくんだろうな・・・』

 

と思った瞬間に、はっと思いつきました。

 

アーティストなんだから(自称でも)、アーティストらしい活動したいな!うずうずを表現する書のワークショップとか、書道ライブとか。夏だしやるか!

 

あ、でも人前に出るならもう少し体を絞ってしゅっとしてからのほうがアーティストっぽいかな・・・。

 

自堕落自主練

 

 

 

平成29年7月、8月、9月の教室日程

こんにちは。

7月、8月、9月の教室日程は以下のとおりです。

お休みの日をお間違えの無いようにお願いいたします。

 

【7月】8日、15日、29日 (第2、3、5土曜日)

【8月】5日、12日、26日 (第1、2、4土曜日)

【9月】2日、9日、16日 (第1、2、3土曜日)

時間 9時30分~12時30分 ※11時30分までに入室ください

 

ワンコイン体験も可能です。

こちらのメールフォーム

または

y.kusunk@gmail.com

よりお申し込みください。

 

じめじめとした日が続きます。どうか体調にはお気をつけて。

はじまりの杜でお待ちしております。

留学生の書道体験にボランティアスタッフで参加してきた話


f:id:y-kusunk:20170628204810j:image

いつかフランスで暮らして書の活動をしていきたい。と数年前にふと思い立ちましたのですが、現在は変わらず川西市に暮らしています。ただ私のなかで海外の人に書を伝えてみたいという思いは胸の中にあり続けています。

 

留学生向けの書のプログラム

F先生からのお誘いで、某大学の留学生対象の授業"Nihon no BI"(日本の美)の書道体験にボランティアスタッフとして参加させてもらいました。留学生は約30人。半数が中華系、残りはその他という構成でした。

 

せっかくの国際交流企画なので、私の中である目標を立てました。

「書を通じて留学生たちとコミュニケーションをたくさん取ろう!」

 

講座は約90分、F先生の流ちょうな英語の解説で授業が始まりました。

 
f:id:y-kusunk:20170629141244j:image

 

線をひくデモンストレーション

私は留学生たちの前で一本の線をひいてみせる担当になりました。せっかくなのでこの機会を活かし自己紹介スピーチをこころみました。

 

☆英語が分からないかたのために、ワタシのスピーチのあとに()で和訳しておきますね。

 

私「ハロー、エブリワン!」

(やぁ、みんな!)

 

私「Fセンセイ キャン スピーク イングリッシュ」

(F先生は英語ペラペラで超かっこいいんだけどさ)

 

私「バット アイ アム バイリンガル!」

(オレだってさ、実は二か国語喋れちゃったりするんだよね)

 

※この場合の接続詞はバットではない気がしますが。

 

"Ohhhhh!!!”って声があがりました。なかなかノリのいい留学生たち。声が収まったのを見計らって次の言葉を出しました。

 

私「ジャパニーズ・・・

(日本語)

 

アーンド・・・ 

(そして)

 

オオサカベン‼」

大阪弁!) 

 

どっかーん

 

笑いが起こりました!え、マジで?こんなおやじギャグだよ、絶対日本人にはウケないよ。いや、留学生サイコー!アイムベリーハッピー。全員とハグしたい気持ちでいっぱいになりました。

 

もう気持ちよくなって、線をひいてみせるなんかどうでもよくなり、いや、しっかり体を使ったオーバーアクションで役目を努めました。

 

留学生たちへ厳しい書道の指導を

留学生たちは筆を使っていろんな線をひいたあと、テキストにある漢字や、思い思いの漢字を色紙に書いて仕上げるという体験に進んでいきました。私は留学生の席を巡回して厳しく指導をしていきました。

 
f:id:y-kusunk:20170629141326j:image

私「オッケー、オッケー!」

私「ベリーナイス!ベリーナイス!」

私「うーーん、ナイスですね~!」

 

まさに書は国境を超えるとはこのこと。書の瞬間を留学生たちに楽しんでもらおうとオーバーリアクションで出来る限りわかりやすく伝えました。でも使った英単語はナイスだけなんですけど。

 

なかには質問してくれるかわいい女子留学生もいました。

 

留学生「スミマセン、ばらって漢字書きたいんですけどお~」

私「え・・・・(まじかよ!薔薇なんてオレも書けないよ!スマホで調べないとな)ソーリー、アイム バラってカンジ カケナイ!チョットマッテクダサイ・・・」

留学生「いえ、私、鉛筆なら書けるんですけど」

私「(え、書けるんかい!)オー、ユー、すごいじゃん!」

 
f:id:y-kusunk:20170629134536j:image

 書いてみるとちゃんと収まって上手に出来上がりました。オーベリーナイス!ベリーナイス!でも薔薇を漢字で書けない書道の先生ではいかんなと猛烈に反省しました。

 

書の夢はフランスからポーランド

 「羽」という字を色紙に書き終わった女子がいました。めっちゃ美人だがや!私思わず名古屋弁も追加してトラリンガルになってしまいました。目標にしていたコミュニケーションを、いままさにここで取らないといけないだろうと思い話しかけました。

 

私「ホエア アー ユー フロム?」(どこの出身なんですか?)

女子「ポーランドです。」

私「オー、アイ ウェント ポーランド 15年 ビフォア!」

(え、ほんとですか、私は15年前にポーランドに行ったことあるんですよ。)

 

そのあと私がなぜポーランドに行ったことがあるのか、そしてワルシャワが美しい街だったと必死で説明をしました。ちゃんと通じたのか、通じなかったのかは分からなかったのですが、笑顔で「アーハン、アーハン」とうなずきながら私の話を聞いてくれました。

 

東欧の女性は美しい、東欧サイコー、ポーランドサイコー。

 

将来はフランスじゃなくてポーランドで書の活動をすることにします。

 
f:id:y-kusunk:20170629141418j:image

  

いさり火の昔のひかりほのみえて 芦屋の里に飛ぶ蛍かな

新古今集