キトラ古墳を出て歩いて飛鳥駅まで戻りました。レンタサイクルの女性にするーっと抜かれました。あー天気もよくなったのでレンタサイクルにしておけばよかったなあなんて思いながら、25分くらいのんびり歩きました。
夜は整体の予約をしていたこともあり、あと1時間くらいしか飛鳥で過ごせません。観光案内所で飛鳥寺までどれくらい時間かかるか聞いてみたら、レンタサイクルで30分。ひえーそんな遠いのか。ということで飛鳥寺は断念。
「何かおすすめスポットないですか?」と聞いたところ。その男性はにこにこしながら教えてくれました。「牽牛小塚古墳もいいですよ。斉明天皇陵と言われていて、昨年整備されたんです。」なるほど。ここから10分程度だというので、「あ、じゃあ行ってみます。」と答えました。
そうしたらグーグルマップを印刷した地図を持ってきてくれました。「牽牛小塚もいいんですけどね、そこにいくまでに古墳マニアにぴったりの評判の高い古墳があるんですよ。」と。
え、なになに?それはめっちゃ興味ある!「岩屋山古墳ってここなんですけど、よかったらこっちも行ってみてください。」と教えてもらいました。なんか秘密を聞いたみたいですごくわくわくします。
案内所を出て線路沿いをあるき、踏切を渡ります。緩やかな坂をあがり右に折れると、岩屋山古墳が出てきました。階段をのぼるとむき出しの横穴式石室とこんもりした小さな墳丘が目の前に広がりました。
一瞬でなぜこの古墳がマニア受けするのかわかりました。まったく整備されていないんです。ということは・・・中の石室までずずずっと入っていけるんです。柵もない。これはすごい。
12mある羨道を歩いていきます。石室内は空洞ですが暗いため少し緊張します。やっぱりお墓に入っていくという感覚があるので、なんとなく「南無阿弥陀仏」とか言ってみたりしました。
奥まで行きます。ちょっと緊張しています。『地震が来て崩れたら自分もつぶれるな』なんて思ったり。古墳好きの方、石室内部に入ったときそういう感覚ないですか?この圧倒的に大きな石に囲まれた中にいると畏怖の念がわきあがります。
びびりながら堪能した後、墳丘にのぼることにしました。草が生えていない場所が通路のようになっていて簡単に墳丘に登れました。いや!絶景だ。大きな1本の木、柿の木の枝が伸びているので少しさえぎられたのですが、飛鳥駅方面に目をやると奥に山が見えます。すごく気持ちのいい景色。
整備されていない古墳なのでベンチがなく座ることはあきらめました。でもこの美しい景色ずっと眺めていたいと思いました。帰りの予約した電車の時間が気にはなりましたが。この古墳を作ったとき、埋葬された方は存命だったのかどうかはわかりません。でも本人が生きていてこの古墳が完成していたなら、同じように墳丘に立って、この眺めを堪能しただろうなと思います。
偶然にも教えてもらった岩屋山古墳。この自然な古墳、こじんまりした古墳、ありのままの古墳、そして墳丘から見える景色。もうサイコーでした。古墳の醍醐味をたっぷり味わうことが出来ました。あー、楽しかった!