書道のくすのき 素の日記

川西市で書道教室やっています(お待ちしています)

木を愛する書人が、木の看板を書いた

私は「木を愛する書人」と名乗ることにしよう。今年9月の展覧会では「樹」を書きました。これからも木や樹を書にしてかいていこうと思っているのです。さて、そんな私にぴったりのご依頼をいただきました。水都おおさか森林の市の出展ブースに置く看板書きです。声をかけてくれて、本当にありがとう!きれいに削って磨いたひのきの板と、ざっくり切ったひのきの丸太2本の表面に、それぞれ墨で字を書きます。

 

木に墨で字を書くときの大切なポイント。まずは、「とのこ」で目止めをすること。もうひとつは、墨はなるべく濃くしておくこと。木は水分を含んでいるので、どうしてもにじみやすいのです。だからとのこで目止めして、濃墨でねっとりと書くのです。前日にとのこ、刷毛、プラスチック容器、てぬぐい、紙ヤスリを用意しておきました。

 

当日、木のある河内長野へ。天気にも恵まれ、気分も高まります。到着してとのこを水に溶かし、刷毛で木材の表面に塗り込みます。半乾きになった状態で、てぬぐいで円を書くようにして、木の表面に刷り込みます。そして日陰で乾燥。ひのきの丸太が切ったばかりで水分をたくさん含んでいたので、なかなかとのこが入っていかなくて焦りました。(結局丸太にはとのこを塗りすぎてしまいましたが)日陰で乾燥させて、余分に浮き出ているとのこを新しいてぬぐいで拭き取り、準備完了。あとは書くのみ。

 

家で磨ってきた墨を、もう一度ねっとり濃く硯で磨ります。とろとろになったところに、筆にたっぷりと含ませます。「下書きはしないんですね」と、あとで驚かれたのですが、私は一発勝負でいきます。一番怖いのは字の配置。書いていったけど最後まで入らなかったというのは、どんなに字か良くてもアウト。その割り付けだけは慎重に頭の中で準備。さあ、書く。縦書きの看板は、きれいな楷書で遊びなし。丸太のほうは、崩した陽気な字。どちらも一字一字丁寧に、墨をつけ直し、配置のバランスに間違いないかチェックしながら木に字を埋めていきます。とのこも無事木に入り込んでいて、にじむことなく書くことが出来ました。あー、緊張した。無事、任務終了!あとは墨が乾燥するのを待つだけです。この看板で人がたくさん寄ってくるといいなあと思うのですが。(日曜日、水都おおさか森林の市へ、ぜひお越しください!)

 

山や木々を眺めながら、外で書くのはサイコー。ほんと気持ちいい。帰りは楠公楠木正成)ゆかりの観心寺をぷらぷら見ながら、家にかえりました。楠公のことは、またいずれ。