くすのき書道教室ー兵庫県川西市ー

墨の香りx木の香り/ひとりひとりを丁寧に、少人数の書道教室

贅沢なひととき

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 最近は休みがあっても何もしたくなくてゴロゴロ家で寝ているのですが、昨日は用事もあったので神戸の総合運動公園に行ってきました。待ち時間がけっこうあったため、公園内の木陰に白い木のベンチがあり、そこに横たわって本を読んでいました。

 

公園なので作られた自然なのですが、やはり木や緑の中に体を存在させると、とても気持ちいい。木陰って本当に涼しいんですよね。何も考えずに木陰でのんびりするのはとても気持ちよく、こんな贅沢はなかなかないよなと感じておりました。

 

私が横たわっている前にはせせらぎをイメージしたような水路がありました。藻がたくさん浮いている水路に半袖短パンでたくましく日焼けしたおじいちゃんがやってきました。手には虫取り網を持って。

 

するとおもむろに虫取り網を水面に差し込み始めたのです。懸命に虫取り網を突っ込んでは引き上げ、突っ込んでは引き上げ、何かを捕獲しているのです。小さな魚がいるのでしょうか。

 

それを見た時、『ああ、いいな、このじいさん』って思いました。真剣なんですよ、ほんとに。するどい視線を水面に送り集中して虫取り網をうごかしているんです。

 

何が目的なのかさっぱりわかりません。でも年を重ねてからもそういう目的がよくわからないことを真剣にやる生き方っていいなと思ったわけです。そしてこのおじいさんが「自分の生き方は・・・」なんて意図していないのがまたいいんですよね。


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私が憧れる偉人の一人に良寛がいます。江戸時代の禅僧です。寺もない、説法もしない、ただ歌をよみ、最低限の食べ物を恵んでもらい、書をかき、その日を生き、眠る、でも心の中は高く澄みわたっている。とてつもなく強い人。常人には真似のできない高い境地にいる良寛さんに強くあこがれます。(ちなみに良寛さんの書には現代でも多くのファンがいます)

 

最近「真っ当な」価値観にどうもなじめなくなってきています。四十にして惑わずといいますが、四十を超えてようやく惑いまくっているなと思います。そんな心境でこの本を手に取ったわけです。「いい会社に就職して結婚して一家の大黒柱として生計を立てて家族とともに生きるのが幸せ」といった高度経済成長時代の「真っ当な」価値観。そうではない生き方もある。隣の芝は青く見えるだけかもしれません、でもやはりあこがれます。

 

 

良寛さんやこの本の著者のpha氏のような生き方をする勇気もない以上、その現実と理想を埋めるのが私の場合は書になるわけです。誰にも何にも縛られず思うがままに自分を表現できる快感。誰に何をいわれようとも自分なりの美しさをひたすら追求する贅沢な時間。心のなかにある黒い部分と白い部分が、そのまま紙の上で白と黒に現れてくるおもしろさは何にも代えられないよなと思うのです。

 

書をかき、自然にふれ、人とゆるやかに触れ合う、それが生きる楽しみであり私なりの贅沢なんだろうと思います。

 
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 今度木陰に書道具をもっていって、自由に好きなことばを書いてみたいなと思います。(風が吹くのでかなり書きにくいと思います!)疲れたら横になって飽きたら帰る。もう少し涼しくなったらやってみようと思います。もし一緒に外で書きたいって方いらっしゃればお声かけくださいね。何にもお世話(指導など)はしませんが!

 

お盆休み、みなさまなりの「贅沢な時間」をお過ごしください~。

 

ヒカリノアトリエ