くすのき書道教室ー兵庫県川西市ー

墨の香りx木の香り/ひとりひとりを丁寧に、少人数の書道教室

自分の趣味のおしつけですが

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はがきや手紙をかく、そんなアナログなことが好きです。しかし相手に気持ちを伝えるという裏側には自己満足が潜んでいると思うと、今の時代に葉書を書いて送るというのが果たしていいのだろうか?と悩んだりもします。それでも『自分のやりたいことをおしつけている』と申し訳なく思いつつポストに投函しております。

 

はがきを常に用意する

先日「今日もていねいに。」という本を読みました。この中で著者は旅行先や美術館で気に入ったはがきを見つけたら買っておくという話がありました。

 

 

なるほどと思い私も文房具屋さんや美術館にいくとはがきを買うようにしています。しかし書や水墨画のはがきを買うことが多いので、完全に自分の趣味の世界になっています。これもまた送る相手には『自分の趣味を押し付けているよな』と心の中で申し訳なく思いつつ送らせてもらっています。

 

文房具屋さんでもかわいらしいはがきって結構あるのですが、和のテイストでかつかっこいいデザインってあんまりないんですよね。美術館のすてきな宝物をモチーフにしたかっこいい葉書を作ってくれないでしょうか?需要がマニアックすぎますかね?

 

はがきなので筆で書いたりしません。さすがに毛筆でもらったら受け取る方もひくかなと思いますし。ボールペンで書くことが多いです。kakunoという簡単な万年筆を使うこともあります。でも書いている途中に乾ききらず自分の手で汚してしまうこともしばしば・・・(ごめんなさい!)

 

 

ぴったりのはがきを選んでみた(つもり)

先月小学校3年生のS君に書道体験をしたのですが、そのあとかわいい手紙をいただきました。筆圧をたくさんかけて一文字一文字丁寧に書いてありました。「ありがとうございました」が何回も出てきて、その気持ちが大変うれしかったです。

 

kusushodo.hatenablog.com

 

返事を出そうと思ったのですが、さすがに手持ちの書や水墨画のはがきでは「???」でしょうから、いろいろと選びました。体験の時に「星」という字を上手にかいたS君なので星や宇宙の写真のはがきにしようと思っていました。

 

ネットで探していいのが見つかりました。満天の星空にそこにすくっと立つ1本の木。おおーこれなら喜んでもらえるかもなあ~と、うれしくなって書きました。

 

字のない葉書 

5月16日の産経新聞夕刊にこんな記事がありました。

 

向田邦子さんの「字のない葉書」は、戦時中、学童疎開する小学1年の妹に、父が自分宛てのはがきをたくさん持たせる。まだ字が書けないので、「元気な日はマルを書いて、毎日一枚ずつポストに入れなさい」。初めて届いたはがきは、紙いっぱいはみ出すほどの、赤鉛筆の大マルだった。

▼ところが、次の日からマルは急激に小さくなり、ついにはバツに変わり、まもなくバツのはがきも来なくなった。父の心配はいかばかりであったろう。疎開先から帰った妹を、父は裸足(はだし)で飛び出して肩を抱き、声を上げて泣いた。中学の国語の教科書にも載ったこの作品を読むたびに、胸がつまる。

(後略)

 

ちなみにこの父親は現代よくいる優等生なイクメンパパではなく、不機嫌だと怒鳴ったり殴ったりするような父親だったようです。(戦時中ではよくある父親の光景?)その父親が見せた感情。娘はどうしているだろうと日に日に募る心配と、娘がなんとか無事に帰って来た安堵感。感情が動かされるエッセイです。全文はネットでもアップされています。

『字のないはがき』

 

 

はがきがこんなに感情を深める、ドラマを生むものだとは現代からは想像がつかないですね。現代なら小学生にスマホを持たせて、「LINEでお父さんにスタンプ送ってちょうだい!」となるでしょうから、はがきをドキドキして待つこともなく、喜怒哀楽は薄くなってしまうのかもしれませんね。

 

そういえば私が学校を出てから名古屋に一人暮らしをしているとき、祖母がよく封書で手紙をくれました。「老人のたわごとと思って笑っていただいていいのですが・・・」と書かれながら、日々のことやお説教などがいろいろと書かれていました。でも返信を書いて送ったことがありませんでした。今になってはがきを書こう!と思うくらいなら、当時少しくらい書いて送ってもよかったかなと思います。若いときって分からずやり過ごすことが多いものですね。

 

照れくさいでしょうけれども・・・

いつか教室の稽古であて名書きも練習し葉書をかいて送るというのをやってみたいと思います。慣れないとはがきを書くのは照れくさいかもしれません。恥ずかしかったら堅苦しく時候の挨拶から始めてもいいと思います。日本語って便利ですよね。

 

※この記事を読んで『もしかして書道教室の体験に行ったら、はがきが送られてくるんじゃなかろうか・・・』と不安に思われるかもしれません。催促しているみたいになるので送りません、ご安心ください~。

 

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S君へのはがき